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【マルフから】某重工マークの変遷【六連星へ】 [その他色々・思いつくままに]

「スバルの富士重工」でお馴染みの、富士重工業株式会社。
おいらも以前、関連企業で働いていたのですが転職して早や十数年・・・今回は、今更ながら気付いた社章やロゴの変化のお話。

始祖は、旧陸軍の戦闘機「隼」や旧海軍の偵察機「彩雲」を生産していた、中島飛行機。
終戦直前に国に接収され(第一軍需工廠)、終戦後は進駐軍の命により細かく分割。それぞれの会社は残っている資材で民生機器を作っていましたが、その中の幾つかの会社が再び一つにまとまり「富士重工業」として再スタートしたのが、1955年。

カタカナ頭文字の「フ」を意匠化した社章は、社内公募で選ばれた物との事。



その3年後、スバル360で始まる乗用車部門のトレードマークは、星座すばる(プレアデス星団とも言う)の位置をモチーフにした、「六連星」マークでスタートしますが、乗用車以外の物(バス、飛行機、鉄道車両等)は、長らくこの社章が用いられていました。

上画像は、成田の航空科学博物館に展示されている元自社社有デモ機のFA-300。
下の画像は、三沢のおおぞら広場に展示されている退役した空自の練習機T-3。

こちら、日中はキャノピーが開放されていて乗り込む事が出来るのですが、フットバーに社章が入れられていました。

このように長らく使われていた、通称「マルフ」マークでしたが、最近使われている機体を覗くと・・・
下画像は、海自の現行の練習機T-5。

ステアリングホイールの中央には、六連星マークが。


「はてさて、いつマークが統一されたのだろう?」と調べて見ると、富士重工HPや、以前もらったスバル発売50年記念の小雑誌に記載があり、2003年の7月15日に六連星マークが統一社章になったとの事。
はみ出し話ですが、その後乗る事になる作戦機に馴染み易い様に、海自は並列2座でホイール式。空自は直列2座のスティック式と異なる座席配列及び操舵装置です。

また、独特のフォントだった銘板の社名も、いつの間にやら普通のゴシック体に。

上は、T-5の前輪主柱の銘板。
以前は、こんな書体だったのですが・・・

上は前述の三沢の機体の部品銘板で、下は我が家のあかびびお。

「スバル」ブランドの方の知名度が高いし、実際自動車部門の収益が一番の富士重工としては自然な流れなのかも知れませんが、ちょっと寂しいのはおいらだけかな~・・・

今回、手持ちのスバル40周年及び50周年の小雑誌および、富士重工の株主向け企業情報を参考にさせて頂きました。
企業情報は、PDFで見ることが出来ます(こちら)









おまけ集

分割された後再び集結し発足した富士重工ですが、中には独立したまま独自ブランドを立ち上げた企業もありました。
大きな所では、天皇陛下専用車や、今も続く「スカイライン」等を作り出したプリンス自動車等が有名。こちらは、その後日産と合併しますが、元は中島飛行機の航空機エンジン工場だった荻窪製作所が母体。

派生ねたで追記します・・・
最近皇室関係で話題になる、荻窪のちょっと西側にある三鷹の国際基督教大学。こちらの敷地も昔は中島飛行機の武蔵野工場敷地の一部でした。隣接する現在の東京事業所と合わさる広大な規模で、南にある調布の飛行場まで飛行機の搬出路があったとか。

下は、民生機器で使われている「FHI」マーク。

平成の始め位から、この手の機器のロゴで見かけます。

「六連星」マークも、昭和の終り位にちょっと変わってます・・・

スバル360が世に出た時、六連星マークの星の位置は上画像左の物でした。
星座「すばる」(プレアデス星団)が基になっていて、当初のマークは実際の星座の星の位置のままだったのですが・・・

初代レガシィの発売が始まる直前から、デザイン化された星の配列に変更されてます。

はみ出しネタですが、上記六連星の名称中「アルキオネ」は以前「アルシオーネ」としてフラッグシップカー?の名称に、「マイア」はスバル360の排気量アップ輸出仕様の名称やレオーネ末期のお買い得仕様車に使われ、「アステロペ」は、「アステローペ」の名称でボルボシャーシーに今は無きバス製造部門が車体加装した観光バスに用いられた実績あり。

「アトラス」は・・・先に日産が商標押さえちゃったみたいで、日産のトラックの名称で使われてたりします。

コブラの広告・・・

我が家の蔵書「自衛隊航空機の30年」の巻末には、ライセンス生産していたコブラの広告が・・・この広告には、六連星マークを使っていますね~。
表紙裏は、三菱重工のT-2CCVの広告でした。




おまけのおまけ

キーホルダーの裏側は、こんな感じです。

こちらの社章とロゴももう使われていません。

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なのの

「マルフ」も通じなくなっちゃうんですね~
by なのの (2014-11-06 22:25) 

ひまねね

なののさまへ、
噂に聞いた話だと、同時に社名も「スバル株式会社」に変更する案もあったとか・・・
大株主が、興銀からトヨタに変わった辺りから製品も社内も様変わりしているようで。
by ひまねね (2014-11-07 08:38) 

たなp

マルフマークについてとっても良く解りましたありがとうございます、私は車の方からスバル車に乗っていて、窓ガラスにこのマークが入っていて、バスにもこのマークがあって気になっていたんです。もう完全にスバルに統一してしまいましたが、寂しさわかります。
by たなp (2017-05-17 17:26) 

ひまねね

たなpさま、はじめまして。コメントありがとうございます。

とうとう、この春から名称もスバルになってしまったので、「マルフ」マークもすっかり過去の物になりました。
もう何年かすると、社員の中でも解る人がいなくなりそうな感じもします。
ただし、以前何かの記事で見かけましたが、北米市場などではブランドネームの「スバル」の方が知名度が高く、企業名変更の一端にもなったとか。

これも時代の流れなのでしょうね~・・・またのぞいて下さいまし。
by ひまねね (2017-05-18 07:46) 

ヒラタツ

こんにちは。マルフマークで検索してたらたどり着きました(笑)
何を隠そう我輩は鉄オタでして、昔青春18きっぷで夜行鈍行列車やローカル線を旅していましたが…そのローカル線気動車(ディーゼルカー/レールバス)で見つけた「富士(フ)重工」の銘板にやられて「富士重症」なる恐るべき病にかかってしまいました!!(爆)
それ以来、愛車がレガシィ/インプレッサになるわ(当然水平対向エンジンの楽音にもハマッた)、富士ロビン製の発電機は買うわ、日産ディーゼル製シャーシに富士重工の車体をまとったバスに幾度となく遭遇するわ(たまにいすゞシャーシもあったが)、ごみ収集車の荷台(パッカー)にある富士重工マークは意識するわ…相当重症でしたwwwwwwww
2003年始にバス車体や鉄道車両の製造を終息させてから幾分治まりましたが、最近の傾向を見ていると「昔の名前で出ています」なんて言いたくもなりますよ。そのうちこの題名の楽曲で富士重工関連の替え歌を作るかもしれません、その際はまたよろしくですm(__)m
by ヒラタツ (2020-06-02 14:41) 

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